ユニオン駅の出発案内表示 これから乗る９時発のアセラの文字が見えます。		改札ゲート前にある待合室

【アセラに乗るための改札風景】

全米各地にあるアムトラックの駅では、自分の乗る列車の発着ホームは入線直前まで分からないことが普通です。
駅構内の大きなＬＥＤ式の発着案内板か、駅コンコースにいくつか点在する案内モニターで、目的の列車の発着ホームが表示されるのを待つ必要があります。
私の過去の経験では、ロサンジェルスでは出発３分前になっても表示されず、あわてて適当なホームに駆け上がったことや、シカゴでは出発５分前になって表示されたと思ったら遅延の案内だったなど、良い印象がありません。日本のように時刻表にも発着ホームが掲載されていたり、ヨーロッパのように出発のずいぶん前からホームの案内が表示されていることに慣れてしまっている私を含めた日本人には、アメリカでは自分の乗車する列車の発着ホームが案内されるまで、落ち着いた感じがしないのではないでしょうか？

ところがワシントンＤＣユニオン駅は違いました。
私はアセラに乗る前日、シカゴからこのユニオン駅に到着。そのまま国会議事堂やスミソニアン博物館等、ワシントンＤＣを散策しながらホテルに向かったため、ホテルからユニオン駅までの最短ルートが分からず、この日はちょっと贅沢にホテルからタクシーを利用し、ユニオン駅に到着しました。
アセラに乗り遅れてはいけないという気持ちと、多少の興奮からかホテルを早めに出てしまい、ユニオン駅に到着したのは、アセラ出発の１時間１０分前。 重厚な造りのユニオン駅に入り、発着案内板を見上げると、なんとそこには既に改札ゲート�ｂﾆ発着ホームが表示されていました。
さすがアセラ、いや北東回廊線。他のアムトラックの路線とは違うもんだと感心しながら、少し早めですが改札ゲート前の待合室に向かい、椅子に座ってゲートが開くのを待つこととしました。

ユニオン駅の待合室は、駅舎全体を覆うドームの中にあるため、部屋になっているわけではなく、コンコースの中の囲われたスポットと言ったほうが良いでしょうか？
他の多くのアムトラックの駅と違い待合室は１箇所ではなく、５〜６箇所ある改札ゲート毎に設置されています。私が待合室に到着したときは、まだ発車まで約１時間あるので、ほんの数人程度の方が椅子に座って思い思いの時間を過ごしてました。
私も空いている椅子に座りゲートが開くのを待つことにしました。待合室の入口の脇には靴磨きのオープンなテナントがありました。結構繁盛しているようで、３人の職人が次々に入れ替わるお客の対応をしているのをのんびり眺めていました。

出発30分位になると待合室も人が集まり始め、結構な賑わいを見せてきます。この日は土曜日ということもありビジネスマンの姿はほとんど見かけることがなく、ラフなスタイルの人や家族連れが多かったように思います。
しばらくすると待合室にある改札ゲート前に人が集まり始めたと思うと、あっと言う間に長い列が出来始めました。私も勝手が分からずこの列に並びましたが、私の後ろに人は並び続け、ついには列は待合室をはみ出してコンコースまで延びていました。私の前に50人。後ろには100人近くの人が並んでいたのではと思われます。
出発15分ぐらい前、アナウンスがあり何組かの人が改札ゲートに入っていきました。英語が聞き取れなかったのですが、高齢者と家族連れは優先乗車できるようです。 優先乗車組の改札が終わると、いよいよ一般組みの乗車が始まり、列が前に動きはじめました。
改札ゲートをくぐると、少し先に女性係員２名立っており、乗客ひとりひとりの乗車券を列の流れを止めることのない程度に簡単に確認しています。
更に列の流れに身を任せ、少し歩くとターミナル駅特有の行き止まり式ホームが現れ、その先にこれから乗る「アセラ・エクスプレス」が見えてきました。

ゲートは出発約１０分前にならないと開きません。 これから乗る９時発のアセラの文字が見えます。		改札ゲートを通過すると こんな風にアセラが見えてきます。

第４話「いよいよアセラ・エクスプレスにご対面」につづく

「アセラ・エクスプレス乗車記（目次）」にもどる