【新大阪駅の旅行会社】

　９時３０分「日本旅行」がオープンしていた。
窓口のおじさんに「日韓共同きっぷ」を扱っているか聞いてみたところ、あると言う返事。
今日出発したいと伝えると、急に顔が変わってそれは出来ないと言われてしまう。不思議そうな顔で私の顔をみていた。
１０時「ＪＴＢ」がオープン。同じ質問を海外旅行の窓口で聞いてみたところ「ＪＲ券」の窓口へ行くように指示される。
「ＪＲ券」の窓口では海外に行けと言い返されてしまう。「こっちに行けと言われたんですけど・・・」、お姉さんは困った顔して裏に消えてしまった。
しばらくしてお姉さんは戻っては来たけど詳しくは分からないらしい。
「今日出発したいのだが・・」と口にしたとたん「それは出来ません！」と始めてハッキリとした答えを出した。

「日韓共同きっぷ」と言うものは、どうやら即日発券は出来ないらしい。

「日韓共同きっぷ」が入手出来ないのなら、下関からのフェリーだけでも旅行会社で予約しカード支払いにしたかった。
下関へ自分で電話して、直接予約を取っても良いのだが、フェリー代と新幹線代の現金出費は結構痛い！　いつもの事だが海外旅行では現金出費は出来るだけ控えている。
でもわざわざこれだけの為に、「ＪＴＢ」や「日本旅行」に戻るのは、ちょっと気が引ける。でも新大阪駅にはもう旅行会社がないだろうと思い、諦めて下関に直接乗り込むか？と決めかねて歩いていたところ、先の３社とは違うフロアに「ＪＲ東海ツアーズ」を見つけた。

カウンターで仕事中のお姉さんに「下関からプサンに行くフェリーのチケットは扱っています？」と尋ねたところ４社目にして始めて好意的で、あちらの資料、こちらの資料、時刻表まで見て調べ始めてくれる。
このお姉さんなかなかやるじゃない！・・・。いつ「分かりません」とか「取扱ってません」と言われるかと待っていたが、このお姉さんは自分たちの手持ちの資料からちゃんと捜し当てた。
「こんなの始めてです。ちゃんと予約できるかな？」と不安がっていたが「やってみましょう！」と気合を入れ、フェリー会社に電話をし、見事に今夜のフェリーの寝台を確保してくれた！
精算時に「面倒なチケットで失礼しました」とねぎらい？をかけたら「勉強になりました」と笑顔で答えてくれた。全く不快感のない素敵なお姉さんでした。　このお姉さん、最後に精算に使ったカードを返し忘れたが、それはご愛嬌ということで・・・。
ＪＲ東海ツアーズのお姉さんは切符を手配しながら、何度も「いきなりなんですか？」と不思議そうな顔をしていた。

第４話「旅の不安」につづく

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