ワシントンＤＣ ユニオン駅の外観		ユニオン駅のドーム下コンコース

アセラ・エクスプレスの南側の始発駅は、アメリカの首都ワシントンＤＣにある「ワシントンＤＣ・ユニオン駅」です。
このユニオン駅は、古代のヨーロッパ神殿のような立派な建造物です。一歩駅舎の中に踏み入れると大きな円柱形のドームに覆われた広いコンコースがあり、中央には開放的でおしゃれなレストランや、大きなクリスマスツリー。その前にはこれから賛美歌を歌うべき準備中の学生達いたり、更に奥に進むとアムトラックのチケットカウンターがあるのは勿論、ちょっとしたショッピングモールとレストランなど、100以上のお店が並んでおり、日本やヨーロッパのターミナル駅のような賑わいがあります。
このショッピング街には以前、鉄道模型や鉄道グッズを扱うお店があったと聞いてて楽しみにしていたのですが、残念なことに閉店されてしまったみたいで、見つけることが出来ませんでした。
アメリカは前記のとおり、あまり鉄道利用が一般的でないため、アムトラックの駅と言えばＣＡＦＥ位しかないのが一般的と思われる中、この「ワシントンＤＣユニオン駅」はアメリカの鉄道駅としては異色な存在と言えそうです。

【北東回廊線を走る列車】

この「ワシントンＤＣ」から「ニューヨーク」・「ボストン」までの、北東回廊線を走る列車は「アセラ・エクスプレス（Acela Express）」以外にもいくつかの種類の列車が走っています。
「リージョナル(Regional)」は、北東回廊で一番頻繁に運転されている列車で、「アセラ」より多くの街に停車することで補完的な役目を持ち、一部列車はワシントンを超え北東回廊を南下し、リッチモンドまで運行されています。
料金は「アセラ」比べ割安ですが、ワシントンＤＣ−ニューヨーク間の所要時間は「アセラ」より40分余計にかかる程度で、途中停車が多い割には頑張った走りをしています。
「メトロライナー（Metroliner）」は、以前の北東回廊の看板列車でリージョナルよりも速く、ファーストクラスも連結されていますが、現在は「アセラ」への置き換えが進んでおり、徐々に運転本数を減らしていると思われます。
そのほかにも、北東回廊を経由してマイアミやニューオリンズに向かう寝台車・食堂車を連結した「長距離列車」も運行されています。
これら「アセラ」以外の列車は、アムフリート型と呼ばれる少し丸みを帯びた客車が使用され、電気機関車が牽引するスタイルで北東回廊を快走しています。

座席の設定は「アセラ」と「メトロライナー」は、ファーストクラスとビジネスクラス。「リージョナル」はビジネスクラスとコーチクラスで編成されています。
ビジネスクラスは、日本で言うとグリーン車。　コーチクラスは普通車の位置づけになると思います。ファーストクラスは専用の客室乗務員と食事が提供される日本では例を見ないクラスです。

さて、アセラ・エクスプレスのチケットは、駅舎のほぼ中央にあるカウンターで購入することが出来ます。カウンターは一般用と会員用（と思われる）とに分かれていて、アセラ利用者は会員用の窓口を使用できます。
一般用の窓口は長蛇の列でしたが、会員＆アセラ用の窓口はガラガラで、すぐに窓口でチケットを購入することが出来ます。 今回、私はサラリーマンの限られた休暇という悲しい事情があり、確実に列車に乗るために事前にチケットを日本で用意しましたが、参考までにアムトラックの時刻表からアセラをはじめとする北東回廊の運賃をご紹介します。
ちなみに、日本の旅行代理店で購入したチケットは、現地の駅で引き換えの必要はなく、そのままアセラに乗車することが出来ました。

ユニオン駅のチケットカウンター		ユニオン駅構内のショッピング街

第３話「アセラに乗るための改札風景」につづく

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