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第1話 思いつきの旅 

1994年3月11日(金)

【会社帰り】

 残っていた日曜出勤の代休を、今年度中に取ってほしいと言われたので、来週の月曜日をその代休日とし、明日から3連休となっている。
折角の3連休、これはどこかに行くしかない!
幸いのことに、今月の給料は諸手当がついていつもより多めに支給されることになっていた。
この、諸手当分を使って出かけてしまえ!!!(まだ支給前だけど・・・)

 さて、明日からどこへ行こう?
北海道、四国、九州・・・。どれも今の僕には余り魅力を感じない。

そうだ! 韓国へ行こう!

確か今年は「韓国訪問の年」とか言って今は、ビザなし渡航が認められているはずである。
いきなり、思いつきの海外旅行! あまりに無鉄砲かもしれないが・・・。

 僕には、昔から一つの夢?がある。

「日本から、ヨーロッパまで陸路と海路だけで旅してみたい!」

連続したものでなくてもいい。何回にわけてもいい。
日本とヨーロッパから序々にお互いの方向に向かって行き、いつか中央アジア付近でつなげてみたい!
北京などから、シベリア鉄道一本で乗り換えなしにとはあまり考えていない。
ヨーロッパ側は、すでにイギリスの「ロンドン」から、ポルトガルの「リスボン」、ハンガリーの「ブタペスト」、ギリシャの「アテネ」まで、陸路と海路でつなげてある。
トルコの「イスタンブール」へも行ったことがあるが、これはアテネから飛行機に乗ってしまったので除外している。

 この夢の、アジア側の出発として、とりあえず「ソウル」まで陸路と海路で行ってみようと思ったのである。
アジア側の当面の目的地は北京である。
 下関、又は福岡まで新幹線で行き、そこから海路で韓国「プサン」へ向かう、プサンから「ソウル」までは韓国国鉄自慢の特急「セマウル」号で移動する。

 自宅へ帰った僕は早速、時刻表と2年前に買った韓国へのガイドブックをひっくり返すことになった。



写真提供 Dekoさん[Deep Seoul(非公式:光化荘 韓国ポピュラー音楽学会)]

第2話「のぞみで出発」につづく


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