【セマウル号】

　１０時発ソウル行き「セマウル４号」は２編成連結列車で、改札口の前は丁度、連結部になっている。
編成の前には乗車口案内版と案内係？のお姉さんが立っていた。お姉さんに自分の車両の位置を聞こうかと思ったが案内板の号車番号の文字が大きくて、その必要は残念ながらなかった。
指定された１２号車は、改札口から入って右側の編成。ソウルに向かって後ろの編成である。韓国国鉄はホームの位置がヨーロッパの鉄道の様に低いので、目の前にある「セマウル号」がとても大きくみえる。もしかしたら本当に大きいのかも？
すぐ発車時間なので、ホームを小走りしながら１２号車を見つけタラップかけ登り、セマウルに乗り込んだ。
客室への自動扉の前に立つ。ＡＵＴＯとは書かれていたものの、踏みかたが悪いのか、それとも私の体重が軽いのか扉はなかなか開いてくれなかった。

席に座るとまもなく、列車は定刻通り「プサン駅」を後にした。向かいのホームには１５分後に発車する同じソウル行きの特急列車が発車を待っている。あちらはセマウルより、所要時間が約４０分長いが、ちゃんと食堂車も連結されている立派な特急列車だ。

私の乗車した「セマウル４号」の時刻表は以下のとおりである。

釜山(10:00発) -<118m>- 大邱(11:06) -<160Km>- 大田(12:37)-<167Km>-ソウル(14:10)

特急「セマウル号」（写真提供：塩塚さん「韓国列車ガイド」）

【セマウル号車内】

　座席は、普通席なのだが座席の幅が結構広くて、前の座席の間隔も広くとられている。照明は間接式で蛍光灯の白色が天井から跳ね返る。ただちょっと明るさは不足気味で、本などを読んでいる最中にトンネルなどに入ると読書灯が必要不可欠である。
座席前の背袋には「Ｒａｉｌｒｏａｄ」と言う飛行機の機内誌の様なものが２席に一冊置かれている。中を覗いて見るとまさしく機内誌と同じで、グラビアを主体とした読み物になっている。「セマウルで働く人々」みたいな記事もあり車掌さん、スチュワーデス？、食堂車のコックさんの車内で働く写真がいくつかあった。
本の後ろの方は、見開き２ページがセマウル号の時刻表になっており、右上には写真入りで、プサン−福岡間のジェットホイル「ビートル２」の時刻表が顔を出している。次のページはセマウルの料金表になっていた。　私の乗車したかった特等席の料金は、２６５００ウォンで普通席より５０００ウォン（約６５０円）割高だったことが分かった。

本の最後は車内案内になっていて、ハングル語・英語・日本語で書かれている。

「医薬品」
この列車には医薬品が用意されております。必要な方は乗務員にお申し付け下さい。

「禁煙車」
この列車のすべての座席は禁煙室と指定されております。喫煙時は化粧室付近のはいざらをご利用ください。

「食堂車」
各種食事及び飲物が準備されております。お気軽にご利用下さい。

「月間雑誌」
座席には月間画報（レールロード）が置いてありますので、ご覧のあとはもとの位置にお戻しください。

「レンタカー」
主要観光地の駅ではいつでもレンタカーをご利用出来ます。車内で予約されますと割引料金となります。詳しいことは乗務員にお尋ね下さい。

「特室車内」
特室ではイヤホン（無料提供）を使って色々な音楽をご鑑賞できます。必要な方は乗務員にお申し付け下さい。また列車のすべての座席には月刊レールロードと国内重要な日刊紙が置いてあります。

第９話「食堂車探検」につづく

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