途中、有名な観光地である南大門を通り過ぎ、目指す「ホテル・ロッテ」には２０分ぐらいで到着した。やはりすごく立派なホテルである。本当にこんなところに泊まってもいいのだろうか？。ホテルを目の前にして今更ながらちょっと考え込んでしまう。
駅からここ「ホテル・ロッテ」まで歩いて来る間、目にしたホテルはセマウルの食堂車を運営していた「ソウル・プラザホテル」など高級そうなホテルしかなかった。
世界各国の国旗が並ぶ玄関をはいりフロントに向かう。韓国を代表する高級ホテルだし、隣の国だから日本語も当然通じるだろうと、最初から日本語でフロントの男性に「部屋ありますか？」と聞いてしまう。たどたどしい日本語であると答えてくれるのだけど、それ以上の日本語は分からないらしい、すぐにそれなりに日本語の喋れるフロントマンと変わった。１泊税・サービス料抜きで150,000Ｗとの返事。ちょっと高いとは思うがホテルを探してる時間も無駄なので、泊まることを決めてしまう。
このホテルは、フロントで日本語が通じるのはもちろん、エレベーターホールでチマチョゴリを来たお姉さんが日本語で行き先階を聞いてきたり、部屋備付けのホテル案内はしっかりと日本語で書かれていたり（逆になぜかハングルの案内はない！）、テレビは関釜フェリーと同様にＮＨＫのＢＳが受信可能だし、ルームサービスには刺身やうどんがあったりと、ここはまるで日本みたい（笑） 夜に空腹を覚え、生まれて始めてルームサービスを頼んだが、注文も日本語で大丈夫だった。
１７時ごろ、市内散策へ出掛ける。ガイドブックから破った地図を部屋に忘れてきてしまったので適当にホテル周辺を散歩する。
ソウルでは道路が広いためか、それとも軍事的なものなのか横断歩道はあまり存在せず、道路の反対側へ行きたければ地下道を歩かなければならない。この地下道大きいとお店がたくさんある地下街になっていて、地上への出入口もたくさんあるのだが、当然ただの通り道でしかない短い地下道もあり、こちらの場合目で見える範囲に行くのに２度地下に潜らないと行けない場合もある。
僕は「ミョンドン」という繁華街を歩いていたようだ。おしゃれなブティックがたくさんあり、米系のファーストフード店がいくつも目についた。人がたくさんいて結構疲れてしまう。 驚いたことにこの繁華街で日系である「ドトールコーヒー」と「ファミリー・マート」を見つけた。本場だと思われる「ロッテリア」はここには１店もない。
ホテルへ戻る途中、ホテル隣の「ロッテ百貨店」に寄る。
ここ韓国でも、ホワイトデーの習慣があるのだろうか？ ハートマークにSpringと書かれた、可愛らしいお菓子がたくさん並べられ韓国人男性が買っていく。そう明日はホワイトデー。旅行に出てすっかり忘れていた。僕も可愛らしいお菓子を４つ買った。
ロッテ百貨店を上へと上がっていく。途中電化製品のコーナーでパソコンを見つけたが、ディスプレイに表示されていたのは、なんとハングル版「Windows」だった。
別の階のおもちゃ売り場では「ロッテ・ワールド」のマスコット人形を見つけペアで買い求める。おみやげにするから包んで欲しいと「しぐさ」で伝えると理解はしてくれたものの、値段が書いてあったためか首にかかっていた「ロッテワールド」のシンボルマークをはずされてしまった。あれがなくては日本に持って返っても、何の（どこの）人形だか誰にも分かってもらえない。
第13話「帰国へ」につづく
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